2008年06月24日

現役会計士に聞く!ドラマ「監査法人」第2回を見て

前回に引き続き、4大監査法人で監査業務の経験のある会計士に、
ドラマ「監査法人」第2回の意見や感想を聞いていきます。

ナビゲーターは、リガヤでWEB担当をつとめるKです。

ナビゲーターK
今回も若杉と茜の暴走ぶりはすごかったですね。
実際あんなことまでやっていいんですか?

会計士A
外からの確認や、登記簿の確認ならまだしも、無断で所有地に入ったり、倉庫に入るというのは、良くないですね。

会計士B
通常の監査ではまずやらないですね。
ただ逆に言うと、「ここまでやらなければ会社の不正(会計)を暴くことができない」ということです。

会計士A
今回の話は、複雑な粉飾のスキームのひとつを紹介しているという点で非常に興味深かったです。

ナビゲーターK
ただ実際、なんとなく悪い事してるなという印象と、相変わらず若杉君が捜査官のような活躍で、実際会計上どんな問題があったのか、詳しくない私には良くわからなかったですね。

会計士B
そうですね。冒頭にあった図やナレーションを使った説明が、途中であっても良かったかもしれないですね。

会計士A
今回の粉飾スキームにおけるポイントは「飛ばし」と「ゼロ連結」です。

ナビゲーターK
えっそんな言葉ドラマのなかでは、出ていなかったと思いますが・・・。

会計士B
「飛ばし」とは、不良在庫などの含み損を抱えた資産を他社に売却したことにして損を表面化させないようにすること。
飛鳥屋の帳簿上は「名神商事」へ900億商品を販売したことになっていましたが、実際は「あおなみ興産」に販売し、「損失」を隠していたわけですね。
このスキームは、飛鳥屋の業績不振を危惧した、東都銀行が仕掛けたものでした。それは、「あおなみ興産」の不動産の抵当権が全て東都銀行にあることからもわかったわけです。

ナビゲーターK
なるほど、では「ゼロ連結」というのは?

会計士A
これは、ドラマ中では触れられていませんでしたが、会計士ならすぐに考えることですね。
「ゼロ連結」とは、資本が一切入っていなくても、売上のほぼ全てを占めていたり、役員・従業員を派遣していたりと、支配的な関係がある場合、連結決算の対象となる子会社の範囲とする。ということです。
つまり「あおなみ興産」は「飛鳥屋」の連結の対象となる可能性が非常に高いです。

会計士B
ただ実際は、「飛鳥屋」の帳簿を見ただけではそれはわかりません。
この事実が判明するに至ったのは、
@「飛鳥屋」に協力者がおり(経理部の魚住さん)、「あおなみ興産」の帳簿(名古屋と書いた裏帳簿)を入手できた。
A茜さんが監査チーム及び「飛鳥屋」との協議もなく、単独で「おあなみ興産」の倉庫を調査した。
B若杉が監査チーム及び「飛鳥屋」との協議もなく、単独で「あおなみ興産」の調査に行き、さらに「あおなみ興産」の会計監査人に会った。
というという3つの異常事態を経たからこそです。

会計士A
そうですね。視聴者の人に誤解をしてほしくないのですが、現在の監査制度の下では、AやBといった捜査員まがいの行為は取れないということです。

会計士B
最初にも言いましたが、不正(会計)を本気で発見・摘発・防止したいのであれば、強制捜査権といった類の権限をもった(『監査人』ではなく)『捜査員』が必要であるということではないでしょうか。

ナビゲーターK
ドラマ冒頭でも「監査法人は監査報酬を監査されるクライアントからもらうため、癒着しやすいという環境ある」と説明がありましが、それはいくら厳格監査をすすめても変わらない問題ですよね。

会計士A
「監査法人は会計監査人として、会計処理、財務諸表の開示に対して適正かどうかをジャッジする」という使命を負うなか、「ジャッジされる側から報酬をもらう」ということについて、このドラマをきっかけに、視聴者の皆さんにも考えてもらいたいですね。







J-SOX法・内部統制コンサルティングならリガヤパートナーズ

posted by LIGAYA at 10:33| Comment(1) | ドラマ「監査法人」を斬る! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ドラマ監査法人は世の中に、会計士は特捜検事とかマルサの担当と一緒という変な誤解を生んだ最悪のドラマと位置づけています
Posted by ドラマだから許せる??? at 2008年07月24日 11:01
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。